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後見人による破産申立(後見人報酬が否認権行使の対象に!)

司法書士の高柳です。
今回のお話しは、後見業務をしている同業者向けのお話しです。

後見人報酬を受領することは偏頗弁済に該当し、否認権行使の対象になります。
先日、成年後見人として破産を申し立てたところ、破産申立前に受領した後見人報酬が否認権行使の対象となるとの連絡が破産管財人からありました。何でも裁判所ではこの申立の唯一の問題点は私の報酬をいくら返納させるかということらしいです。破産申立前にそのような論点があることは承知していたのですが、マニアックな話しなので実際には問題にはなるまいと高をくくっていましたが、まさか後見人報酬がメインの問題とまで言われるとは思わなかったのでびっくりしました。

破産手続き
破産手続きは、申立人の財産を破産債権者への支払い(配当)にあてて、それでも払いきれない分について免責(支払の免除)を受ける手続です。財産の配当を行う際には、債権者平等の原則に基づき破産管財人が債権額に応じて財産を各債権者へ按分して支払うことになります。債務者自身が特定の債権者に支払うことは偏頗弁済といって債権者平等の原則に反し、特定の債権者にのみ有利な取扱をすることになるので禁止されています。このあたりは破産手続きを行ううえでの基本のお話しです。

一般債権と財団債権
しかし、すべての債権をこのような取扱にするといろいろ不都合があるので、破産手続きにおいては債権を破産手続きで処理する一般債権とそれ以外の財団債権の2つに分類します。財団債権に属するものについては破産手続きを経ないで支払うことができます。一般債権より優先的に支払うことが認められているということですね。財団債権については破産法第148条以下で具体的に規定されており、主なものとしてはまず税金があげられます。税金については破産をしても免責されないので、必ず払わなければなりません。税金は特別扱いなんですね。理由は税金だからとし言いようが無いです。税金は破産しても免責されず、延滞すれば金利がつき、裁判なしで財産の差押えもできるということで、個人的にはサラ金よりよっぽど怖いと思っています。サラ金はいくら怖いと思われていても破産免責により支払義務はなくなります。
財団債権に属するものの2つめは、破産管財人の報酬や破産申立に関する費用(弁護士・司法書士報酬など)のような破産手続きに必要な費用です。これらの費用を一般の債権と同じ扱いをされてしまうと報酬がまともにもらえなくなり誰も破産手続きの仕事を受けられなくなるので、優先的に支払いを受けることが認められています。他にも財団債権に属する債権はありますが、ここでは割愛します。

後見人報酬
さて、後見人の報酬というのは後見人自身が決めるのではなく、家庭裁判所が本人の資産や収支の状況、後見人がどのような仕事をしたかなどを総合的に考慮して決定します。後見人が自分で被後見人の財産から受け取る報酬を決めるとするとお手盛りで報酬を決めることができ、利益相反となることから後見人ではなく家裁が決定するわけです。この後見人報酬が破産法で定められた財団債権には規定されていないことが、後見人による破産手続きを進めるうえで問題となります。ここで冒頭の後見人報酬について偏頗弁済にあたるので、否認権行使の対象とするという話しが出てくるわけです。しかし、後見人報酬は日常の生活費の支出などだけでなく、破産申立のための準備などすべての後見人の業務を元に家裁が決定したものですから、これを破産管財人により否認されてしまうとなると後見人としては堪ったものではありません。この事案では、後見開始時に100万円ほどだった預金を裁判などにより500万円にまで増やしたのですが、私に落ち度があったわけでもないのにこの仕打ちはあんまりです。
このような取扱をされると以下のようにいろいろ問題が生じます。

問題点1 後見人が破産申立をしなくなってしまう。
まじめに破産申立をしても報酬が否認権行使により減額されてしまうとなると後見人がわざわざ面倒な破産申立をしないで放置するようになります。破産により負債の支払義務を免れることが被後見人の利益ですが、後見人にとっては報酬が減額されるということで不利益になるので利益相反が生じます。本来、後見人報酬を家裁が決定することは被後見人と後見人の間に利益相反関係を発生させないためですが、現行の破産手続きの運用では裁判所が被後見人と後見人の間に利益相反関係を生み出すことになります。後見人の利益確保のために必要な手続をしないというのは、後見制度の趣旨から考えると望ましくなく、制度への信頼も揺るがしかねない問題です。

問題点2 破産手続きが必要な案件の後見人の引き受け手がいなくなる。
後見人に落ち度が無くても破産申立により報酬が減額されるとなったら、破産申立が必要な事案をわざわざ引き受ける専門家はいなくなってしまいます。後見案件の件数が増大する中、わざわざこのように理不尽な扱いを受ける案件よりも普通に報酬がもらえる案件を受けるようになるのは当たり前です。果たしてそれで良いのでしょうか?

問題点 3 地方裁判所は家庭裁判所に優越することになる。
家庭裁判所が決定したことを上級審でない地方裁判所が否認するということは、司法制度としておかしいという話しです。家庭裁判所が間違った判断をしたと地方裁判所が決めることになります。このような取扱をされてしまうと家庭裁判所に後見人報酬付与の申立をする際に事前に地方裁判所の了解を得てくださいとお願いしなければなりません。

今回の顛末
上に書いたことを意見書として管財人に提出した結果、今回は否認権行使の対象としないという回答をいただきました。今回は後見人の働きによって預金が増えた結果、破産債権者に配当もできるようになったのだから、否認権行使の対象とするのは適切でないという判断でした。他の後見人の方が破産の申立を行う際に参考になればと思います。
管財人の先生によると後見人報酬の破産における取扱は時々出てくる問題とのことです。今回のように管財人の裁量で決めるのではなく、後見人の報酬を財団債権に含むよう制度の改正をしてほしいところです。このような問題は私のような個々の後見人の手に余るので、本来であればリーガルサポートのような組織で対応すべきと思っています。しかしリーガルサポートには、前回の印鑑証明の記事でも書いたとおり後見の現場で起こっている問題をくみあげて、裁判所に改善を申しいれるという姿勢が乏しいんですよね。
なお、昨年8月頃にリーガルサポートに報告した際に後見人報酬が否認された場合の定率会費の扱いがどうなるか問い合わせていましたが、最近になってやっと回答がありました。答えは「本部で検討して返すことになると思うが、いつ頃、どうやって返せるかはわからない」とのこと。不幸にして後見人報酬が否認されてしまった方は、リーガルサポートに確認してみてください。


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2015-01-24(Sat)
 
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