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相続の放棄について

司法書士の高柳です。
今日から12月になりました。
あっという間に平成22年も終わりに近づいている気がします。

司法書士として仕事をしていると相続の放棄をしたいという言い方で相談を受けることがあります。
ところがこの相続の放棄というのは法律上の用語と一般で使われている用語が違っていることがあるので注意が必要です。
法律上の相続放棄は家庭裁判所で行う手続きのことで、この手続きを行うと最初から相続人で無かったということになります。相続は亡くなった方の財産と負債(借金)を引き継ぐので、主に負債が多くて相続したくないときに利用される手続きです。
一方、一般に相続の放棄をしたいという場合は、よくよく事情を尋ねてみると家庭裁判所での手続きでは無く、遺産分割協議のうえで自分は何ももらわなくて良いということがほとんどです。
一見すると何ももらわないという点で効果は同じようですが、この二つの法律上の効果は全然違います。
例えば妻と子ども2人がいる方が亡くなり、妻が全部相続し、子ども2人は何も相続しないというケースで考えてみます。このケースでは、家庭裁判所で子ども2人が相続放棄をしても妻が全部相続するとは普通はなりません。子ども全員が相続放棄をすると相続順位の第1番の相続人がいなくなるだけで、相続順位第2番の本人の親が相続人(親がいなければ第3番の兄弟姉妹)となります。つまり妻と本人の親(兄弟姉妹)が相続人となるのでわけで、妻が全部相続するには親(兄弟姉妹)の同意が必要です。
ですからこのようなケースでは、全て妻が相続する(子どもは相続しない)という内容の遺産分割協議書を作成し相続手続きを行うのが普通です。

家庭裁判所での相続放棄という手続きは、権利義務一切を相続しないという効果だけでなく、相続順位が繰り上がるという隠れた効果がある場合があります。借金が多いので子ども全員が相続放棄をするということは、本人の親(子どもからすると祖父母)や本人の兄弟姉妹(子どもからすると叔父叔母)が相続人として借金を負うことでもあります。こういう場合は、あらかじめ祖父母や叔父叔母とも打ち合わせして順番に相続放棄をしていくことが望ましいでしょう。プラスの財産であれば相続順位が繰り上がって相続人になっても怒る人はいませんが、相続順位が繰り上がって借金を相続したとなるとたいていの人は怒りますから。

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2010-12-01(Wed)
 
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